備えあれば憂いなし

遺産分割調停の手続き


相続問題は時に修羅場と化します。
それは映画やドラマの中だけの話しではないのです。
親族内で、時には実の兄弟姉妹の間でまさに骨肉の争いが展開されます。
遺産分割協議では故人の預貯金だけでなく、不動産から有価証券、はたまた著作権など様々なものを相続人間で皆が満足いくように分けなければなりません。
想像に難くないことですが、元々不和があったり、関係がうまくいっていない家族の中に、さらにこうした財産上のトラブルが増えたらならば話し合いがうまくいくはずがありません。
では財産分割協議がうまくいかない場合はどのように事を進めていくのでしょうか。

もし法定相続人のうち一人でも協議に同意できない人がいるなら、家庭裁判所に遺産分割調停の手続きをしなければなりません。
こうなると裁判所の調停委員が相続人同士の意見や主張を聞きながら、うまく協議が合意に至るようにサポートすることになります。
調停委員は相続人たちのどんな部分に注目しているのでしょうか。
一つは各相続人が故人に対してどれほどの貢献をしたかです。
またそれぞれの職業や年齢なども考慮にいれつつ、関係者全員が納得できるように話し合いを導きます。

もしこの調停でも決着が着かなければ、遺産分割審判申立書を提出して、今度は本格的に家庭裁判所がこの問題に審判を下すこととなります。
その場合は調停のときのように相続人同士の話し合いがなされることさえありません。
ですから少なくとも調停の段階で事態の収拾がつくのが望ましいですね。
基本的に遺産分割協議は法定相続人たちで行なうのが大前提です。

どうしても話しがまとまらない場合に調停を申し立てるわけですので、本来は相続人たちが冷静に物事を見て話し合い、円熟した態度と判断を見せるべきなのです。
今相続の問題が持ち上がっている方々もそうした点を念頭に置いて将来来たる相続問題に備えるべきでしょう。
しかしどうしても難しいときに遺産分割調停というものが存在することは頭の片隅に覚えておくことができます。